「風の通り道」
ふと
窓辺のカーテンが揺れた
誰かが 名前を呼んだ気がした
木々の葉をすり抜けて
空の青を撫でながら
風は 何も語らず
ただそこに いた
さびしさを
連れて行くでもなく
あたたかさを
残していくでもない
それでも
わたしの頬を撫でたその一瞬が
今日をやさしくしてくれる
――ありがとう
言葉を持たない 風へ
ふと
窓辺のカーテンが揺れた
誰かが 名前を呼んだ気がした
木々の葉をすり抜けて
空の青を撫でながら
風は 何も語らず
ただそこに いた
さびしさを
連れて行くでもなく
あたたかさを
残していくでもない
それでも
わたしの頬を撫でたその一瞬が
今日をやさしくしてくれる
――ありがとう
言葉を持たない 風へ