風に揺れる言葉たち

季節のうつろいと共に、心を映すポエムを綴ります…

「風の通り道」

ふと
窓辺のカーテンが揺れた
誰かが 名前を呼んだ気がした

木々の葉をすり抜けて
空の青を撫でながら
風は 何も語らず
ただそこに いた

さびしさを
連れて行くでもなく
あたたかさを
残していくでもない

それでも
わたしの頬を撫でたその一瞬が
今日をやさしくしてくれる


――ありがとう

言葉を持たない 風へ